3月19日の国会議決を経て、3月20日にタイ国王からの勅令が交付され、アヌティン・チャーンウィーラクン氏がタイ第32代首相として正式に就任しました。燃料危機・物価上昇・中東情勢という山積した課題に、新政権がどう立ち向かうか注目が集まっています。
293票の大差で選出
3月19日、国会下院(499議席)でおこなわれた首相指名投票で、プームジャイタイ党党首のアヌティン氏が293票を獲得し、野党・前進党(旧未来前進党の流れ)のナタポン氏の119票を大きく引き離しました。棄権は86票でした。
アヌティン氏は2月8日の総選挙でプームジャイタイ党が194議席を獲得して第一党となって以来、首相候補の最右翼とみられており、今回の結果は「ほぼ予想通り」の展開でした。
「全員の声を等しく聞く」と就任宣言
投票前の議会演説でアヌティン氏は「賛成・反対を問わず、すべての議員は国民の代表として等しく尊重される」と語り、挙国一致での難局突破を呼びかけました。翌3月20日には国王からの勅令を受けた就任式が行われ、家族や連立与党議員らに囲まれながら式典に臨みました。
最初の試練はエネルギー危機
新政権が直面する最大の課題は、ホルムズ海峡問題に端を発するエネルギー危機です。燃料補助金の維持と財政健全化のバランス、代替エネルギー調達先の開拓、物価上昇の抑制など、就任直後から待ったなしの対応を迫られています。
また、3月18日に憲法裁判所が2月8日の総選挙の有効性に関する訴えを受理したことも不安材料のひとつです。憲法裁が選挙の無効を判断した場合、政治的混乱が再び生じる可能性があります。
まとめ
アヌティン首相はコロナ禍対応での厚生相経験もあり、実務型のリーダーとして評価されています。タイの政治は不安定な時期が続いていましたが、今回は連立政権の議席数も安定しており、当面の政策継続性は確保されそうです。燃料価格・電気料金・ビザ政策など、在住者の生活に直結するテーマでの新政権の動きは引き続きウォッチしていきます。


