7/13 未明、バンコクで痛ましい事故が起きました。
7月12日(日)深夜11時57分、バンコク北部チャトチャック区ラットプラオ通り付近の人気パブ「โรงเบียร์ ณ ลาดพร้าว(ロン・ビア・ナ・ラットプラオ)」で大規模火災が発生。アヌティン・チャーンウィーラクン首相が7月13日早朝に現地を視察し、死者27名・負傷者63名以上を確認したと発表しました。
タイで近年最大規模の繁華街火災事故です。
日曜の深夜に何が起きたのか
SNSで最初に情報を発信したのは消防・救助情報を扱うFacebookページ「Fire & Rescue Thailand」で、深夜0時前後に現場の映像とともにタイムラインを投稿。バンコク市プララム199指令センターの公式X(旧Twitter)アカウント「@praramcommand」も午前0時02分に第一報を発信し、情報は瞬く間にタイ全土に拡散しました。
生存者の証言によると、ステージ近くの分電盤(circuit breaker)から煙が上がり始め、その後停電と爆発音が発生。店内は瞬く間に濃い黒煙に包まれました。暗闇の中で視界を失った客は正面入口が炎と煙で塞がれ、出口を探して店内奥のトイレ付近に殺到しましたが、その多くが逃げ場を失いました。
消防車3台・水8本のホースを動員し約35分で鎮火。しかし到着時にはすでに多数の人が店内に取り残されていました。
なぜこれほど多くの犠牲者が出たのか
当局の初期調査で浮かび上がった主な要因は3つです。
①非常口がなかった アヌティン首相は「生存者の証言によると、パブには非常口がなかった」と明言。店内には正面の大きな入口のみで、炎が入口を塞いだ時点で脱出経路が完全に失われました。
②防音構造が有毒ガスを閉じ込めた ライブ音楽が演奏される店内は防音材で密封された構造で、窓が極端に少ない。これにより急速に有毒ガスが充満し、短時間で多数の人が意識を失ったとみられています。
③分電盤の老朽化が疑われる 演奏していたミュージシャンがステージ近くの分電盤から不審な煙が出ているのを目撃しており、電気設備の過電流・老朽化が出火原因として疑われています。
2022年チョンブリ「マウンテンB」との類似
タイでは過去にも類似した悲劇が繰り返されています。
- 2009年:バンコク「サンティカ」——花火が原因、66名死亡・200名以上負傷
- 2022年:チョンブリ「マウンテンB」——防音材への延焼、14名以上死亡
今回の事故も構造的欠陥と消防基準の形骸化という、過去と同じ問題が繰り返されました。アヌティン首相は全国の類似施設に対し消防設備・非常口の緊急点検を指示しましたが、批判の声は高まっています。
ナイトライフで確認すべきこと
今回の事故を受けて、パタヤからバンコクに遊びに行く際、また近隣の飲食店・バーを利用する際に在住者として意識しておきたいポイントを整理します。
①入店前に非常口を確認する 店内に入ったら、まず非常口・避難経路の位置を確認する習慣をつけましょう。地下・防音構造の店舗は特に注意が必要です。
②防音・密閉構造の店舗では出口近くに座る ライブバー・クラブ・カラオケなど防音された店舗では、緊急時に素早く脱出できる出口近くの席を意識して選ぶことをおすすめします。
③消火設備の有無を確認する 店内に消火器・スプリンクラーが設置されているか、さりげなく確認する習慣が身を守ります。
④煙や異臭を感じたらすぐに退出する 今回は分電盤からの煙という前兆がありました。不審な煙・焦げ臭・電気系統の異常を感じたら、パニックになる前に素早く外に出てください。
亡くなられた27名の方々に謹んでお悔やみ申し上げます。
今回の事故はバンコクでの出来事ですが、チョンブリ・パタヤにも防音構造のライブバー・クラブが多数あります。「自分には関係ない」ではなく、今日から入店時の非常口確認を習慣にしてください。
参考:CNN(https://edition.cnn.com/2026/07/12/asia/bangkok-deadly-fire-pub-latam-intl)、South China Morning Post(https://www.scmp.com/news/asia/southeast-asia/article/3360301/least-27-dead-after-fire-breaks-out-bangkok-pub)、Thai Rath(https://www.thairath.co.th/news/local/bangkok/2945788)、Manager Online(https://mgronline.com/crime/detail/9690000067804)