シラチャ在住の日本人にとって見逃せないニュースです。東急株式会社は6月26日、タイ大手財閥「サハグループ」と共同で、シラチャにおける将来開発の共同検討に関する協定書を締結したと発表しました。対象となるのは約112ヘクタールという広大な土地です。
何が決まったのか
協定を締結したのは3社——東急、両社の合弁会社であるサハ東急コーポレーション、そしてサハグループの中核企業サハ・パタナ・インターホールディング(SPI)です。
対象はSPIがシラチャに所有する約112ヘクタールの土地。現時点のコンセプトは「Modern Working Place」と「Plenary Living Area」——先端企業の誘致やオフィス開発、教育環境を含めた住宅・生活インフラの整備を組み合わせ、働く場所と暮らす場所が一体となった長期的なまちづくりを目指すとしています。

なお今回の協定は具体的な施設の建設を直ちに決定するものではなく、あくまで「共同検討」のスタートという位置づけです。
なぜシラチャが選ばれるのか——東急が指摘する3つの理由
東急のリリースでは、シラチャが今後さらに発展が見込まれる理由を次のように説明しています。
①日系企業の集積——バンコクに次ぐ日本人在住地 シラチャはバンコク中心部から南東約100kmに位置し、周辺には製造業を中心とした日系企業が集積。バンコクに次いで多くの日本人が暮らすエリアとされています。
②EEC(東部経済回廊)内という政策的優位性 タイ政府が産業誘致を進めるEEC内に位置し、外国企業による投資や周辺エリアの人口増加が続いています。
③インフラ整備の追い風 開発検討地周辺では高速道路のサービスエリアおよび新たな出入口の開発が進んでおり、特に成長が期待されるエリアとされています。
東急とサハグループ、12年の協業の歴史
東急とサハグループの関係は2014年に始まりました。両社は合弁会社サハ東急コーポレーションを設立し、シラチャでの賃貸住宅開発・運営を推進してきました。
サハ東急の概要は以下の通りです。
- 設立:2014年10月1日
- 資本金:13億2,000万バーツ(約65億円)
- 出資比率:東急グループ50%、サハグループ50%
- 本社:チョンブリ県シラチャ郡スラサック
これまでの実績として、日本人駐在員家族向けサービスアパートメント「ハーモニック レジデンス シラチャ」(2016年開業・総戸数212戸・約月額5万5,000バーツ〜)を運営。また2028年開業予定の「デュシットスイーツ J-PARK シラチャ」(地上12階建・195室)にも参画しています。SPI側も「J-PARK」の商業施設運営やサハグループ工業団地の開発・運営など、長年シラチャでの開発に取り組んできました。



さらに2024年には東急グループ・サハグループ・SkyDrive社の3社で、シラチャ・パタヤ・プーケットにおける「空飛ぶクルマ」事業化検討の覚書も締結しており、両社の協業は不動産にとどまらず広がりを見せています。
シラチャ在住の日本人にとっての意味
今回の協定が今後どう具体化するかはまだ未確定ですが、シラチャ在住者にとって気になるポイントを整理します。
①住環境の選択肢が増える可能性 「教育環境を含めた住宅・生活インフラ」という方向性が示されており、将来的に日本人駐在員家族向けの新たな住宅・学校関連施設が生まれる可能性があります。
②オフィス開発で企業誘致が進む可能性 「先端企業との連携やオフィスの開発」という言葉から、シラチャがさらに企業拠点として強化される方向性が読み取れます。雇用機会の拡大にもつながる可能性があります。
③長期的な地価・賃料への影響 112ヘクタールという規模の開発構想が動き出せば、周辺エリアの不動産価値にも長期的な影響が及ぶ可能性があります。本ブログでも度々お伝えしているパタヤのコンドミニアム市場の動向(6/11記事参照)とあわせて、チョンブリ全体の不動産市場の流れとして注目したいところです。
具体的な開発内容はまだ「検討段階」ですが、112ヘクタールという規模と、東急・サハグループという両社の信頼関係の積み重ねを考えると、シラチャの将来像に大きく関わる可能性があるプロジェクトです。日系企業の集積地としてのシラチャが、今後どのような「まちづくり」を見せていくのか、今後の発表に注目していきましょう。
参考:東急株式会社 公式プレスリリース(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001332.000010686.html)