一時帰国コスト、ついに上がりました——空港税1,120バーツが今週から正式スタート

5月19日にお伝えした空港旅客サービス料(PSC)の値上げが、予告通り6月20日(土)から正式に施行されました。タイ空港公社(AOT)が発表通り、730バーツから1,120バーツへ約53%の引き上げを実施しています。

何が変わったか——

対象は国際線出発のみで、6月20日以降に発券されたチケットから新料金(1,120バーツ)が適用されます。すでに発券済みのチケットは旧料金(730バーツ)のまま変更なしで利用できます。

項目旧料金新料金(6/20〜)
国際線旅客サービス料730バーツ1,120バーツ
国内線旅客サービス料130バーツ130バーツ(変更なし)

対象空港はスワンナプーム・ドンムアン・チェンマイ・メーファールアン(チェンライ)・プーケット・ハジャイの6空港。ウタパオ(パタヤ近郊)はAOT管理外のため対象外です。

周辺国と比較すると——タイは「ASEANで突出して高い」

今回の値上げで、タイはASEAN主要国の中で際立って高い水準になりました。

国・空港旅客サービス料(バーツ相当)
タイ(6空港)1,120バーツ
シンガポール(チャンギ)約1,200バーツ
マレーシア(KLIA)約580バーツ
インドネシア(スカルノハッタ)約500バーツ
フィリピン(ニノイ・アキノ)約500バーツ
ベトナム約400バーツ

日本の主要空港との比較ではこうなります。

空港旅客サービス料(バーツ相当)
羽田約640バーツ
成田約640バーツ
仁川(韓国)約370バーツ

タイ国内でも、元バンコク副知事のサマート氏が「スワンナプームの空港ランキングはまだ世界トップクラスではないのに、料金だけ世界水準を求めるのはおかしい」と批判しています。

なぜここまで値上げされたのか

AOT社長パウィーナ・ジャリヤーティティポン氏によると、増収分(年間約130億バーツ)は以下に投資される予定です。

  • スワンナプーム東ターミナルの拡張:国際線の処理能力増強
  • ドンムアン第3フェーズ開発:格安航空会社(LCC)向けの新コンコース整備
  • 自動チェックイン・バイオメトリクス(顔認証)システムの導入
  • 2034年までに年間1.8億人の旅客処理能力を目指す長期インフラ計画

ただしタイ開発研究所(TDRI)などからは「追加収入の使途について十分な説明がない」という批判も出ており、サービス改善の実感が乏しいまま値上げだけが先行している状況への不満も根強く残っています。

一時帰国・旅行への実際の影響

往復で日本に一時帰国する場合、**追加で390バーツ(約1,700円)**のコスト増になります。AOT側は「航空券全体の価格に比べれば小さい影響」としていますが、批判派は「4,000〜5,000バーツの格安チケットでは7〜10%の実質値上げに相当する」と指摘しています。

なお、今回のPSC値上げとは別に、タイ国籍者限定の「出国税1,000バーツ」案も財務省で検討中ですが、これはまだ未確定(5/5の記事参照)で、外国人には適用されません。

すでにチケットを発券済みの方は今回の値上げの影響を受けません。これから夏休み・お盆の一時帰国の航空券を購入する方は、新料金がすでに価格に反映された状態で表示されますので、特別な手続きは不要です。長期的には「サービス改善が本当に実現するか」が問われる局面ですので、今後のスワンナプーム・ドンムアンの整備状況にも注目していきましょう。

参考:Bangkok Post(https://www.bangkokpost.com/thailand/general/3201739/)、Nation Thailand(https://www.nationthailand.com/news/tourism/40065920)、TAT Newsroom(https://www.tatnews.org/2026/05/airports-of-thailand-to-raise-international-passenger-service-charge-from-20-june-2026/)