シラチャの地元漁師が思いがけない”宝物”を発見しました。
5月26日、コ・シーチャン島の地元漁師が沖合で海面に漂う**白っぽいロウ状の塊(約2kg)**を発見。その見た目・質感・独特の香りから、「龍涎香(アンバーグリス)」ではないかとして大きな話題になっています。
龍涎香とは何か——「クジラの腸内物質」が数千万円の価値を持つ理由
龍涎香(アンバーグリス)は、マッコウクジラの腸内で形成される希少な分泌物です。クジラがイカ・タコのくちばしなど消化できないものを飲み込むと、腸内でこの物質が形成されます。海に放出され、長期間(数年〜数十年)波に揺られながら熟成することで独特のムスクのような香りを放つようになります。
その希少性と香りの定着力から、シャネルやディオールといった世界最高級の香水の原料として古くから使われてきました。現在でも代替できる合成原料がなく、グレードによって1kgあたり1万〜3万ドル(約150万〜450万円)の価格で取引されます。
英語では「whale ambergris(クジラのアンバーグリス)」、俗称で「whale vomit(クジラの嘔吐物)」とも呼ばれますが、実際には嘔吐物ではなく腸内分泌物です。
タイで過去にも発見例——億超えの取引も
実はタイではこれまでにも龍涎香の発見例があります。
- スラートターニー県のコ・サムイ沖:6kgの塊が発見され、推定価値1,000万バーツと報道(Bangkok Post)
- ナコーンシータマラート県:約100kgという史上最大規模の発見例があり、プーケットのビジネスマンが1kgあたり96万バーツで購入交渉(推定3億円超)
- ラヨーン県:約400gの塊が発見、加熱すると沸騰するオイルに変わりアンバーグリスの特徴を示した
今回のコ・シーチャンの発見は約2kgで、過去の相場から計算すると推定1,400万バーツ(約7,000万円)超の価値があります。ただし本物かどうかの鑑定結果はまだ出ていません。
本物かどうかの確認方法
一般的にアンバーグリスかどうかを見分ける方法は以下の通りです。
- 浮力:水に入れると浮く(今回も確認済みとのこと)
- 加熱テスト:ライターで炙るとすぐに溶けてオイル状になり、ムスクのような独特の香りが出る
- 色と質感:白〜灰色のロウ状で、長く熟成したものほど価値が高い
- 専門家鑑定:最終的には化学分析が必要。タイでは水産局や大学の研究機関が鑑定を行う
発見者はチョンブリ県の水産当局に届け出ており、現在鑑定が進められています。
タイでの法的扱い
マッコウクジラはCITES(ワシントン条約)の保護対象のため、アンバーグリスの取り扱いには注意が必要です。タイでは龍涎香自体の採取・販売・輸出に関して明確な法規制はなく、グレーゾーンが残っています。ただし発見した場合は当局に届け出ることが推奨されており、今回の漁師も適切に届け出を行っています。
まとめ
「地元の海で億超えのお宝が見つかった」というロマンのある話です。コ・シーチャンはシラチャから日帰りで行ける身近な島(5/4の記事でご紹介)で、パタヤからも1時間半ほどで訪れることができます。
海岸線をハイキングしていて不思議なロウ状の塊を見つけたら、捨てずに当局に確認してみてください——もしかしたら「海に浮かぶ金塊」かもしれません。
参考:The Pattaya News(https://thepattayanews.com/2026/05/26/thai-fisherman-discovers-2kg-lump-resembling-valuable-ambergris-floating-off-koh-si-chang/)