パタヤ市は、市内480店以上の大麻事業者を集めた説明会を開催しました。副市長クリサナ・ブーンサワット氏が議長を務めたこの会議では、今国会で審議中の「大麻・ヘンプ法(Cannabis and Hemp Act)」への準備と、パタヤ独自の「スター認定ショップ」制度の導入が正式に発表されました。
今のタイの大麻事情——まず現状を整理
「タイで大麻は合法?」と疑問に思ってい方も多いと思いますが、法律は2025年以降に大きく変わっています。
現在(2026年5月時点)の法的状況
- THC0.2%超の大麻製品:医療用のみ合法。購入にはタイの認定医・薬剤師・伝統医療師が発行するPT33処方箋が必要(有効期限30日・最大30g/月)
- CBD製品(THC0.2%以下):処方箋不要で自由に購入可能
- 娯楽目的(レクリエーショナル)の使用:2025年6月25日から事実上の再規制——合法ではありません
- 外国人のビジネス参入:医療・ヘンプエキスの製造・輸入・輸出は外国人に明示的に禁止
パタヤ市内では現在480店以上が営業していますが、全国18,433店のうち7,297店がライセンス更新に失敗して閉店。残る11,136店のうちライセンス更新に成功したのはわずか15.5%の1,339店というデータが示す通り、規制は急速に厳しくなっています。また既存ライセンスの多くが2026年12月31日で失効するため、年末にかけてさらなる整理が進む見通しです。
パタヤが「スター認定ショップ」を導入する理由
パタヤ市が今回の会議で発表した「スター認定大麻ショップ」制度は、合法ショップと違法・グレーゾーンショップを利用者が一目で見分けられるようにする仕組みです。
認定の条件としては、認定医療従事者の常駐・PT33処方箋システムの導入・未成年者への販売禁止の徹底・観光客への適切な説明義務などが想定されています。パタヤ市はショップのデータベース構築を進めており、新法施行後の監視・取り締まりに活用する計画です。
市が「スター認定制度」を急ぐ背景には、パタヤの観光イメージがあります。「グレーな大麻ショップが乱立する街」というイメージを払拭し、国際的に認められた医療・ウェルネスの街としてのブランディングを強化したいという市の意図があります。
「Cannabis and Hemp Act」——いつ成立するのか
より包括的な「大麻・ヘンプ法(Cannabis and Hemp Act)」は5月末まで国民向けパブリックコメントの受付を行っており、今後国会での審議・採決へと進む予定です。この法律が成立すれば、これまで複数の省令・通達で運用されてきた大麻規制が1本の法律に統合されます。
法案の主な方向性は「医療・研究目的の合法化、娯楽目的の禁止の明確化、ビジネス参入要件の厳格化」——2022〜2023年の「事実上の解禁」時代から完全に方向転換した形です。
日本人が知っておくべきこと
旅行・観光で来る家族・友人への注意:「タイは大麻OK」という古い情報を持って来タイする日本人旅行者が今でも多いです。現在は処方箋なしにTHC製品を購入・所持・使用することは違法です。日本の法律ではタイでの使用も帰国後に問題になる可能性があります。
CBD製品は引き続き自由:ショップで売られているCBDオイル・クリーム・飲料(THC0.2%以下)は処方箋なしで購入可能。在住者の多くが睡眠・痛み対策で利用しています。
参考:The Pattaya News(https://thepattayanews.com/2026/05/21/pattaya-holds-talks-with-cannabis-operators-to-prepare-for-new-law-pushes-star-rated-shops-to-protect-youth-and-tourism-image/)、Cannabis for Thailand(https://cannabisforthailand.com/legal/)、Cannabis Law Report(https://cannabislaw.report/)、Hemp Gazette(https://hempgazette.com/news/thailand-medical-cannabis-prescription-rules-enforcement-discrepancies/)