燃料高騰で旅行コストが上がり続ける一方で、意外な「恩恵」が生まれています。タイ全国の高級ホテルが、欧州・中東からの旅行者激減に対応するため、かつてないほどの大幅値下げを実施しています。
バンコクのマンダリン・オリエンタルやプーケット・ライレービーチのラグジュアリーリゾートが最大70%オフで泊まれる今、パタヤ在住者にとっては絶好のチャンスです。
なぜこんなに安くなったのか
タイを訪れる観光客の構成が、中東戦争以降に大きく変わりました。
欧州からの長距離路線は、イラン上空の飛行禁止区域を避けるため迂回ルートを余儀なくされ、フライト時間が最大5時間延長。燃油サーチャージも急増し、欧州からバンコクへの往復航空券は平均58%値上がりしています。これにより欧州からの旅行者はプーケットで17.5%減、クラビで20〜30%減と急落。中東からのゲストも同様です。
タイホテル協会(THA)会長ティエンプラシット・チャイヤーパットラナン氏は「5月以降の先行予約がすべてのセグメントで落ち込んでいる」と述べており、高級ホテルの5月の平均稼働率は約40%——前年比3%減と過去最低水準に近づいています。プーケットは40〜60%、バンサーンとパタヤ近辺は南部より底堅いものの、サムイやクラビは40%以下のエリアも出ています。
具体的にどれくらい安いのか
ホスピタリティ専門家のビル・バーネット氏(C9ホテルワークス)は「これほどの割引は10年に一度のこと」と表現しています。
- マンダリン・オリエンタル バンコク:
通常4〜5桁バーツ台のリバービュールームが朝食・バトラーサービス付きパッケージで大幅割引 - プーケット・アンダマン海沿いのラグジュアリーリゾート:
通常価格から約50%オフ、1泊約14,000バーツ〜のプランが登場 - サムイ・クラビのリゾート:
タイ在住者向けの特別プロモーション(国籍不問)が登場
「タイ在住者向けプロモーション」は国籍を問わず適用されるケースが多く、外国人在住者でも利用できるプランが多数あります。
パタヤ近郊の状況は
パタヤのホテルはバンコク近郊という立地から国内旅行者の需要に支えられており、南部ほどの急落はないものの、5月の稼働率は想定を下回っています。バンコク・アソシエイツなど複数の宿泊予約サイトでは、パタヤ周辺のシーフロントホテルが通常の30〜40%オフで出ています。
とりわけコーサメット(サメット島)やコーチャン(チャン島)など近場の島は、欧州・中東旅行者の減少を埋めるべく積極的なプロモーションを展開中です。
パタヤから日帰り〜1泊で行ける距離で、この値下がりは見逃せません。
7月・8月もまだ取れる
通常なら欧州のファミリー旅行者で埋まっているはずの7〜8月の予約が今年は「異例のキャンセル増」とTHAは報告しています。本来の繁忙期に空室が出ているのは近年なかったことで、夏休みの旅行を検討している在住者には追い風です。ただし停戦交渉の進展次第で状況は変わるため、早めに確認・仮予約しておくのが安全です。
燃料高・物価高と悪いニュースが続く中、タイに住んでいるからこそ享受できる恩恵がここにあります。長距離フライトが高くても、在住者は国内移動だけで済みます。今年の5〜8月は「タイ高級ホテルを安く使い倒せる稀有なシーズン」として記憶されるかもしれません。


